たれ耳の猫が抱える骨の異常と繁殖の問題を知る

スコティッシュフォールドにおける耳の軟骨の異常について

スコティッシュフォールドは日本で大変人気の高い猫種です。
JEMTCという団体が行っている猫の人気ランキングによると、2019年度の第一位猫種はスコティッシュフォールドとなっており、他の猫種と比較して別格と言ってよいほどの大人気になっています。

ただし注意をしておきたいのが、スコティッシュフォールドの血統で生まれる猫のうちよく写真などで見かける折れ耳になっている猫は全体のわずか2~3割にとどまるということです。

しかしスコティッシュフォールドを飼育したいと考えている人は当然耳の折れた猫をほしがりますので、いくら血統がよくても耳が折れていない猫は人気がなく売れ残ることがよくあります。
売れ残ったスコティッシュフォールドは保護してくれる人が運良く見つかればよいのですが、悪質なブリーダーや業者がからむと人知れず処分をされてしまうということもあったりします。

言い換えれば、スコティッシュフォールドの血を引きつつ先天的な奇形を持って生まれなかった猫の多くは販路に乗る前に殺処分される運命にあるということです。
先にも説明をしたように実際に折れ耳になる猫は僅かな割合にとどまるので、ペットショップに1匹の折れ耳のスコティッシュフォールドが並ぶためには、他に数匹の猫が犠牲になっているということでもあります。

スコティッシュフォールド特有の折れ耳は、正確に言うと「骨軟骨異形成症」という病気に該当します。
猫という動物は耳を大きく立てて周囲の音を聞きながら野生で生活をするという習性を持ってきたわけなので、折れ耳というのは本来的には生き残るのが難しい遺伝的性質を持っているということになります。

それだけなら室内で飼い主さんが大切にしてあげればすむ問題なのですが、耳の軟骨部分に異変が起こっているということは、体全体の骨の形成が不十分であるということにもつながっていきます。

そのためスコティッシュフォールドは年齢を重ねることで骨に関する病気を発症するリスクが高くなり、ひどい場合には四肢の関節の一部が動かなくなってしまうということも起こります。
軟骨部分が硬化をしてしまうことにより、歩くだけでも激痛が走るようになるのでほぼ寝たきりになってしまうスコティッシュフォールドも多いようです。

繁殖停止を訴える団体もいます

かわいらしいスコティッシュフォールドですが、そうした残酷な現実があることを知るとおいそれと「垂れ耳がかわいいから飼いたい!」というふうには思えなくなるのではないでしょうか。

実際、垂れ耳のスコティッシュフォールドを作るために無理なブリーディングをさせている業者も摘発されています。
そもそもとしてスコティッシュフォールドを繁殖させることが猫にとって正しいことなのかということを訴える動物愛護団体もあります。

人間のエゴのために、将来的に重大な病気を発症する可能性の高い猫を大量生産してもよいのかということについて、猫が好きな人なら一度真剣に考えてもらいたいです。